残尿感の原因は?若い男性の頻尿・排尿後の違和感について専門医が解説



「おしっこをしたのにスッキリしない…」そんな症状で悩んでいませんか?

「トイレに行ったばかりなのに、また行きたくなる」

「排尿後なのに尿が残っている感じがする」

「尿道や下腹部に何となく違和感が続いている」

このような症状があると、多くの方が不安になります。

特に20代〜40代の男性の場合、

  • 性病かもしれない
  • 前立腺の病気ではないか
  • 膀胱炎になったのではないか
  • このまま放置して大丈夫なのか

と心配になる方も少なくありません。

実際に、残尿感・頻尿・排尿後の違和感は、尿道・膀胱・前立腺などに何らかの炎症や異常が起きているサインであることがあります。

一方で、必ずしも重い病気とは限らず、生活習慣やストレスが関係している場合もあります。

ただし、性感染症(STD・STI)が原因になっていることもあるため、症状だけで自己判断することはおすすめできません。

この記事では、男性に起こる残尿感や頻尿、排尿後の違和感の原因について、性感染症専門医の立場から分かりやすく解説します。

残尿感とはどのような症状?

残尿感とは、排尿後にも尿が膀胱内に残っているように感じる症状です。

実際に尿が残っている場合もあれば、炎症や刺激によってそのように感じるだけの場合もあります。

例えば、

  • トイレを出てすぐまた行きたくなる
  • 尿が全部出切っていない気がする
  • 下腹部が重い感じがする
  • 尿道の奥が気持ち悪い

といった状態が代表的です。

残尿感は単独で起こることもありますが、多くの場合は頻尿や排尿時の違和感を伴います。

頻尿とは何回以上をいうのか?

頻尿とは、排尿回数が通常より多くなっている状態を指します。

一般的には、

状態 排尿回数の目安
正常 1日4〜8回程度
頻尿の可能性 1日8回以上
夜間頻尿 夜中に1回以上起きる

ただし、単純に回数だけで判断することはできません。

例えば、

  • 水を大量に飲んだ
  • コーヒーを何杯も飲んだ
  • スポーツ後に水分補給した

このような場合は排尿回数が増えても異常ではありません。

問題となるのは、水分摂取量が特に増えていないのに頻尿が続く場合です。

男性の残尿感や頻尿の主な原因

残尿感や頻尿にはさまざまな原因があります。

主な原因一覧

原因 特徴
尿道炎排尿時痛や違和感を伴う
前立腺炎頻尿・残尿感・会陰部痛
膀胱炎排尿時の不快感や頻尿
前立腺肥大症高齢男性に多い
糖尿病尿量増加による頻尿
多飲水分摂取過多
過活動膀胱尿意が我慢しづらい
ストレス自律神経の乱れ

原因は1つとは限らず、複数が重なっていることもあります。

膀胱・前立腺・尿道の位置関係

残尿感や頻尿は、膀胱・前立腺・尿道のいずれかに炎症や刺激が起きることで現れることがあります。

それぞれの位置関係を理解しておくと、「なぜ前立腺炎や尿道炎で排尿後の違和感が出るのか」がイメージしやすくなります。

膀胱・前立腺・尿道の位置関係を示した図

若い男性で頻尿や残尿感がある場合に考えたいこと

50代以降では前立腺肥大症がよくみられます。

しかし20代〜40代の男性の場合は少し事情が異なります。

若い男性で、

  • 糖尿病がない
  • 水分を大量に摂っていない
  • 利尿薬を飲んでいない

という状況で頻尿や残尿感がある場合には、尿道や前立腺の炎症を疑う必要があります。

特に性感染症による尿道炎は比較的よくみられる原因の一つです。

前立腺炎で起こる残尿感や頻尿

男性特有の原因として重要なのが前立腺炎です。

前立腺とは膀胱のすぐ下にある臓器で、尿道を取り囲んでいます。

この前立腺に炎症が起こると、

  • 頻尿
  • 残尿感
  • 排尿後の違和感
  • 会陰部痛
  • 下腹部の不快感

などが起こります。

前立腺炎というと細菌感染をイメージする方が多いですが、実際には感染が証明されないタイプも少なくありません。

前立腺炎で症状が起こる仕組み
前立腺炎で症状が起こる仕組み

長時間座る仕事でも前立腺炎は起こる

前立腺炎は性感染症だけが原因ではありません。

例えば、

  • デスクワーク
  • 長距離運転
  • 長時間のゲーム
  • テレワーク

などで長時間座り続ける生活をしている方にもみられます。

前立腺周囲の血流が悪くなることで炎症が起こりやすくなると考えられています。

実際に、

「最近仕事が忙しくて座りっぱなしだった」

「在宅勤務が続いていた」

という方が症状を訴えるケースも珍しくありません。

性感染症による尿道炎でも同様の症状が出る

若い男性の場合に特に注意したいのが性感染症です。

クラミジアや淋菌などが尿道に感染すると、

  • 排尿時にしみる
  • 尿道がムズムズする
  • 残尿感がある
  • 頻尿になる
  • 排尿後に違和感が残る

といった症状が現れることがあります。

しかし実際には症状が非常に軽いことも多く、

「少し違和感があるだけ」

「様子を見ていた」

というケースも少なくありません。

性感染症による尿道炎の流れ
性感染症による尿道炎の流れ
尿道炎を放置するとどうなる?
尿道炎を放置するとどうなるか

症状よりも重要なのは接触行為の有無

性感染症を疑う上で大切なポイント

症状の強さだけでは性感染症かどうかは判断できません。重要なのは接触行為の有無です。

症状よりも重要なのは接触行為の有無

性感染症の診断で重要なのは症状だけではありません。

実は、

  • 残尿感がない
  • 頻尿もない
  • 排尿時痛もない

にもかかわらず感染している方は意外と多く存在します。

そのため、

  • 性交渉があった
  • 新しいパートナーができた
  • コンドームなしの行為があった
  • オーラルセックスがあった

という場合には、症状の有無だけで判断することはできません。

性感染症の可能性が少しでもある場合には検査を受けることが大切です。

排尿後の違和感が続く場合は何科を受診すればよい?

排尿後の違和感は、

  • 尿道
  • 膀胱
  • 前立腺

のいずれかに原因があることが多いため、まずは泌尿器科または性感染症を診療している医療機関への相談がおすすめです。

特に、

  • 排尿時に痛みがある
  • 尿道から分泌物が出る
  • 性行為後に症状が出た
  • パートナーが性感染症と診断された

という場合は性感染症の検査も検討する必要があります。

早めに原因を調べることで、不要な不安を抱え続けずに済みます。

頻尿の原因は感染症以外にもある

頻尿があると性病を心配する方は多いですが、原因は感染症だけではありません。

糖尿病

糖尿病では血糖値が高くなることで尿量が増加します。

その結果、

  • のどが渇く
  • 水を大量に飲む
  • 尿が増える

という流れで頻尿になります。

過活動膀胱

膀胱が過敏になることで、

  • 急に尿意が来る
  • トイレが近い
  • 我慢しづらい

といった症状が現れます。

ストレスや自律神経の乱れ

人前で緊張するとトイレに行きたくなる経験はないでしょうか。

膀胱は自律神経の影響を受けるため、

  • 仕事のストレス
  • 睡眠不足
  • 精神的緊張

などが頻尿を引き起こすことがあります。

ただし、自己判断でストレスのせいと決めつけることは危険です。

まずは感染症や泌尿器系の病気がないか確認することが重要です。

年配の男性では前立腺肥大症も原因になる

50代以降の男性では前立腺肥大症も重要な原因です。

前立腺が大きくなることで尿道が圧迫され、

  • 尿の勢いが弱い
  • 残尿感がある
  • 何度もトイレに行く
  • 夜中に何回も起きる

といった症状が現れます。

前立腺肥大症は感染症ではありませんが、残尿感の代表的な原因の一つです。

アルコールは症状を悪化させることがある

残尿感や頻尿、前立腺炎の症状がある場合は飲酒を控えることをおすすめします。

アルコールには、

  • 利尿作用
  • 血管拡張作用
  • 炎症部位への刺激

があるため、症状が悪化することがあります。

実際に、

「飲酒した翌日に症状が強くなる」

「お酒を飲むと頻尿になる」

という方は少なくありません。

原因が判明するまでは禁酒を心掛けた方が安心です。

性感染症が疑われる場合は行為を控える

もし性感染症の可能性がある場合は、診断がつくまで性行為を控えることが重要です。

症状が軽くても、

  • クラミジア
  • 淋菌
  • マイコプラズマ
  • ウレアプラズマ

などが感染している可能性があります。

また、自覚症状がほとんどない状態でもパートナーへ感染させてしまうことがあります。

検査結果が判明するまでは、新たな感染拡大を防ぐためにも性行為は避けることが望ましいでしょう。

尿だけでなく咽頭検査も重要

オーラルセックスによる感染経路
尿検査だけでは見逃してしまうことがあります

性感染症の検査というと尿検査をイメージする方が多いかもしれません。

しかしオーラルセックスの機会がある現代では、咽頭感染も重要です。

咽頭クラミジアや咽頭淋菌は、

  • 症状がない
  • 軽い違和感のみ
  • 風邪と区別がつかない

ことが多くあります。

そのため、

尿道に症状がある

尿道だけ検査する

咽頭感染を見逃す

というケースもあります。

性感染症の可能性がある場合は、尿道と咽頭の両方を検査しておくことをおすすめします。

尿検査だけでは見逃してしまうことがあります

オーラルセックスの経験がある場合は、尿検査だけでなく咽頭検査も一緒に行うことが重要です。

尿検査だけでは見逃してしまうことがあります

症状がなくても感染していることは珍しくない

性感染症で重要なのは、

「症状があるかどうか」

だけではありません。

実際には、

  • クラミジア
  • 咽頭クラミジア
  • 咽頭淋菌
  • マイコプラズマ
  • ウレアプラズマ

などは無症状で感染していることも少なくありません。

そのため、

「症状がないから大丈夫」

ではなく、

「感染の機会があったか」

という視点で考えることが重要です。

こんな場合は早めの受診・検査をおすすめします

次のような場合には早めの受診をおすすめします。

症状・状況 受診推奨度
残尿感が続く高い
頻尿が改善しない高い
排尿後の違和感が続く高い
排尿時にしみる非常に高い
性行為後に症状が出た非常に高い
パートナーに感染歴がある非常に高い
尿道から膿が出る緊急性が高い

早期に原因を確認することで、不要な不安や感染拡大を防ぐことができます。

まとめ

男性の残尿感や頻尿、排尿後の違和感にはさまざまな原因があります。

前立腺炎や尿道炎、膀胱炎などの炎症が関係することもあれば、前立腺肥大症や糖尿病、多飲、ストレスなどが原因となることもあります。

特に若い男性で、

  • 頻尿が続く
  • 残尿感がある
  • 排尿後に違和感がある

という場合には、尿道や前立腺への感染が隠れている可能性も考える必要があります。

また、性感染症は症状がなくても感染していることが珍しくありません。

接触機会があった場合は、症状の有無にかかわらず適切な検査を受けることが大切です。

もし現在、不安な症状が続いているのであれば、一人で悩み続ける必要はありません。

原因を確認することで、治療が必要なのか、心配のない状態なのかをはっきりさせることができます。

早めの受診と適切な検査によって安心を得られることも多いため、気になる症状がある場合は医療機関へ相談してみてください。

あなたの不安が解消され、安心して日常生活を送れるようになることを願っています。

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