PEP療法について《HIV(エイズ)予防》

目次

   

PEP療法とは

PEPとは、曝露後予防(post exposure prophylaxis)の略語です。
HIVに感染したかもしれない性行為や医療事故の後、日常においてHIVに感染した可能性がある時、72時間以内に抗レトロウイルス薬(HIVに対する治療薬)の内服を開始して、HIVに感染するリスクを低下させる予防策のことをいいます。

 
  • PEP療法は、1日2回の内服を28-30日間続ける必要があります
  • PEP療法は、正しく投与されたときにHIVを予防するのに有効ではありますが、100%の精度での感染予防策ではないので、予め留意してください。
 

※ 性交渉後の曝露後予防を目的とした抗HIV薬内服は、アメリカなど複数の国では、国策として多くの国民に浸透している治療法になります。

情報元:CDC>

 

PEP療法の対象

  • 医療事故や性行為、日常生活においてHIVに感染した可能性があると考えている方
  • 不安な接触行為から、72時間以内であることがわかっている方
    ※アメリカ疾病予防管理センター(CDC)のガイドラインでは、72時間以内での治療を推奨しています。
  • PEP療法開始前に、今現在、HIVやB型肝炎ウイルスに感染していないことが明確になっている方
    ※すでにHIVやB型肝炎ウイルスに感染している場合、PEP療法の対象にはなりません。

副作用と注意点

副作用

代表的な副作用として、腎機能障害・吐き気・軽いお腹の張り(腸管内のガスが増えます)などが挙げられます。

注意点

B型慢性肝炎ウイルスに感染している方は、この薬の使用を中止するとB型慢性肝炎が悪化することがあります。とくに進行したB型慢性肝炎の場合は、症状が重くなることがあります。

次の人は、この薬を使用することはできません。

骨粗鬆症を治療中の方
次の人は、慎重に使う必要があります。使用する前に医師に告げてください。

腎臓に障害のある方
この薬には併用を注意すべき薬があります。他の薬を使用している場合や、新たに使用する場合は、必ず医師に相談してください。

 

処方までの流れ

1問診・診察

問診・診察を行い、HIV感染のリスクおよびPrEP療法の適応を判断します。

2血液検査

HIVやB型肝炎ウイルスにすでに感染していない事、腎機能障害が無いことの確認を行います。

※すでにHIVやB型肝炎ウイルスに感染している方、中等度以上の腎機能障害のある方は残念ですが、PEP療法を受けることができません。

3抗HIV薬の保険適応外使用に関する医師による説明と同意文書への署名

服用方法、予想される副作用、副作用が発現した場合の対処方法などを説明します。
初回外来では診察及び血液検査を行い、問題がなければ28日分の薬を処方します。2種類の薬を内服します。

※代表的な副作用としては、肝炎・肝機能障害・皮疹・軽い頭痛・腎機能障害・軽いお腹の張り(腸管内のガスが増えます)・吐き気などが挙げられます。

4再診

服用を始めて13-14日後に再度受診していただきます。
診察および血液検査で副作用がないことを確認します。

5その後のフォローアップ

原則として、服用開始1ヶ月後、3あるいは4ヶ月後、6ヶ月後のタイミングで、HIV検査とB型肝炎ウイルス・C型肝炎ウイルス・梅毒の検査を適宜お勧めしています。

 

治療費について

料金
初回及び14日後の診察及び即日検査費用として 33,000円(税込)

28日間の薬剤費として※2日分は予備 214,500円(税込)

(PEP期間中(4週間)の診察や副作用の有無を確認するための検査)は、上記費用に含まれます。)

※PEP期間(4週間)終了後の検査は、別途費用が発生します。

※海外からのジェネリック医薬品を使っている医療機関がありますが、PEP、PrEPのジェネリック医薬品は日本では薬機法に基づく厚生労働大臣の承認がされていないため、あおぞらクリニックでは使用しておりません。
また、医薬品は正しく使っていても、副作用の発生が防げない場合があります。そのため、国による「医薬品副作用被害救済制度」という制度がありますが、厚生労働大臣の承認がされていないため適用されません。

 

ご予約について

PEP療法は、ご予約を承っております。各院に直接お電話もしくはこちらから予約可能です。ご予約なしで直接お越しいただいても構いません。

 

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