5.性行為後、症状はないけれど不安な方へ

──「症状がなくても安心とは限りません」──


「何もないから大丈夫」…本当にそうでしょうか?

性行為のあと、体に明らかな変化がなければ、多くの人が「特に痛みもかゆみもないし、きっと大丈夫だろう」と感じます。
しかし、性感染症(STI)の多くは“症状がほとんど出ないまま進行する”という非常に厄介な特徴があります。
見た目や感覚だけでは、感染の有無を判断することはできません。
むしろ、症状が出ない人のほうが多い感染症も存在するほどです。

このページでは、性行為後に不安を抱えている方が知っておきたい基礎知識、男女で異なるリスク、無症状で進むことの怖さ、そして「症状がない今こそ確認するべき理由」を丁寧にまとめています。
不安を抱えたまま時間だけが過ぎてしまう前に、正しい知識を持つことが何よりも安心につながります。
自分を守るためにも、大切なパートナーを守るためにも、ぜひ参考にしてください。

症状がないのに感染しているケースは珍しくありません

性感染症には、初期の段階ではほとんど症状が出ないものが数多くあります。
むしろ「痛みや違和感が出ないまま数週間〜数年経ってから問題が起きる」というケースも一般的です。

ここでは、男女別によくある無症状の感染例を紹介します。

◆男性によくある無症状の性感染症

●クラミジア(男性の約7割が無症状)

排尿時の違和感や分泌物が出る場合もありますが、のども含めて無症状の割合も多い。気づかないまま前立腺炎などに進行してしまうことも。

●淋菌感染症(特に咽頭感染は無症状)

代表的な症状として「性器から黄白色のドロっとした膿が出る」がありますが、「痛みが軽く出る程度」で気づかない人も非常に多い。

●HIV(数年無症状のまま進行)

感染直後は軽い風邪のような症状が出ても、その後は長期にわたって無症状が多い。気づいたときには病状が進んでいることがあります。

●HPV(ほぼ症状なし)

ヒトパピローマウイルスは自覚がないまま感染することが多く、将来的に陰茎がんやコンジローマのリスクを高める型もあります。

◆女性によくある無症状の性感染症

●クラミジア(女性の約8割が無症状)

症状が出にくく、気づかず放置すると卵管炎・骨盤内感染症・不妊の原因になることがあります。

●トリコモナス・カンジダ

おりものの変化が出ることもありますが、自覚されないまま長期化することも珍しくありません。

●咽頭クラミジア・咽頭淋菌

のどの性感染症は男女ともに無症状が大半。キスやオーラルで感染し、気づかずにパートナーへ広がります。

●HPV(子宮頸がんの原因に)

ほぼ無症状のまま長期間潜伏するため、定期的な検査で早期発見・早期対応が重要です。

実際、無症状のまま検査を受けた方の 約3割以上で感染が確認されているのが現実です。
「症状がない=感染していない」ではない。これは性感染症の大前提といえるでしょう。

「無症状で進む」ことの本当の怖さ

●自覚がないまま感染を広げてしまう

痛みやかゆみが全くないため、普段通りの生活をしてしまう → 結果的にパートナーにうつしてしまうケースが後を絶ちません。
本人に悪気がないからこそ、気づかないうちに感染拡大の原因になることも。

●放置すると将来の健康リスクが増大する

男性:慢性前立腺炎、精巣上体炎、不妊の原因に

女性:卵管炎・骨盤内炎症症候群、不妊のリスクが上昇
男女共通:HIVや梅毒は全身に影響し、心臓・脳・免疫系に長期的な障害が残ることもあります。

●「検査を受けない限り安心が得られない」

症状がないからこそ、かえって不安が長引きます。

・あの行為が気になる


・相手の検査状況がわからない

・もし感染していたら…

こうした不安は、仕事や日常生活にまで影響することがあります。

しかし、検査で陰性が確認できれば、その瞬間に大きな安心を得られるのです。

男性・女性別:よくある軽いサイン

▪️男性

・尿道のかゆみ、違和感
・排尿回数が増える
・透明〜白色の分泌物

※ただし多くの場合は「完全に無症状」です。

▪️女性

・おりものの変化(量・におい・色)
・下腹部の重さ
・月経以外の軽い出血

※気づかないまま数週間〜数ヶ月進行することも多いです。

主な性感染症と症状の特徴

下記は、陰部のトラブルの中で、特に多く見られる感染症です。いずれも初期症状は小さな違和感から始まることが多いため、自己判断が非常に難しい感染症でもあります。

疾患名 主な症状 特徴
咽頭検査 咽頭クラミジア・咽頭淋病・マイコプラズマ・ウレアプラズマ オーラルで感染、ほぼ無症状
性器検査 クラミジア・淋菌・マイコプラズマ・ウレアプラズマ・トリコモナス・一般細菌 無症状感染も多く早期発見が重要
血液検査 HIV・梅毒・B型肝炎・C型肝炎 潜伏が長く、発症前に把握できる
カンジダ症 かゆみ・白いカス・腫れ 性感染症ではないこともあるが、自然治癒はしにくく、再発しやすい。
ウイルス検査 HPV(高リスク) がんリスクを早期に把握

よくある不安・疑問

症状がないのに検査は必要?

必要です。性感染症は無症状のケースが非常に多く、「陰性を確認すること」も大切な目的です。

どの検査を選べばいいか迷います。

性行為の時期や内容を確認の上、必要な項目をこちらから案内いたします。

結果は誰かに知られませんか?

WEBで本人のみが確認できます。周囲に知られることはありません。

陽性だったらどうする?

多くの性感染症は治療で完治します。また、パートナーと同時に対処することで再感染も防げます。

こんな方は一度確認を

⚫︎コンドームなしで行為を行った、もしくは途中で外れてしまった
⚫︎マッチングアプリ・風俗など新しい相手との性行為があった

⚫︎パートナーが検査を受けていない
⚫︎妊活を控えている、結婚を控えている
⚫︎不安になって日常に集中できない
症状が出ていない今こそ、感染状況を確認できる良きタイミングでもあります。

不安を抱えたまま過ごす前に

性感染症は「症状がないまま進行する」ことが非常に多い病気です。
だからこそ、症状が出ていない今こそ検査を受ける価値があります。
検査で得られるのは、単なる“陰性・陽性”という結果だけではありません。
安心感、心の余裕、パートナーへの思いやり、将来の健康への備え——すべてが手に入ります。
「症状がないから大丈夫」ではなく、「気になったら早めに確認する」が、一番確実な予防策です。

当院は予約不要ですが、お電話や事前問合せも承っております。
※性感染症に関する一般的なご質問やご相談につきましては、お答えできません。

オンライン診療対応:遠方・多忙な方でもご利用可能です。
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住所:東京都港区新橋2丁目16-1 ニュー新橋ビル3階 330(男性)/339(女性)

TEL:03-3506-8880

営業時間:平日 11:00〜14:30/16:00〜20:00 土日祝 9:30〜13:30/14:30〜18:00
※淋病の点滴治療は、前半診療・後半診療ともに受付終了の30分前までとなります。
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