「性感染症チェック」妊娠を希望している方・不妊が心配な方へ

「なかなか妊娠しない…」「不妊の原因がよくわからない…」「妊活を始める前に、まず自分の体の状態を知りたい」
そんな思いを抱えている方にこそ知ってほしいのが、性感染症（STD）の存在です。

性感染症は自覚症状が乏しいまま進行し、不妊や妊娠合併症の原因となることがあります。妊活を始める前に検査・治療を行うことで、将来の妊娠をより安全に迎えられます。気になる場合は早めの受診が大切です。

性感染症が妊娠にどう影響するのか

性感染症は、多くの場合、自覚症状がほとんどありません。気づかないうちに慢性化してしまい、卵管炎や子宮頸管炎、さらには骨盤内感染症（PID）を引き起こすことがあります。これが卵管の癒着や閉塞、不妊、さらには流産の原因になることもあるのです。

⚫︎クラミジア・・・無症状でも卵管炎や不妊、子宮外妊娠などの原因に
⚫︎淋病・・・無症状のまま進行することがあり、卵管閉塞や骨盤内炎症などの原因に
⚫︎マイコプラズマ・ウレアプラズマ・・・症状は気付きにくいが慢性的な炎症を起こし、早産や着床障害に関与することも
⚫︎梅毒・・・流産や胎児感染のリスクがあり、妊娠初期の検査が必須
⚫︎B型肝炎・C型肝炎・・・妊娠中の感染が垂直感染（母子感染）につながることも

このように、性感染症は妊娠に直接関わる可能性があるため、症状がないからといって安心できません。知らないうちに進行してしまう“静かな感染”があるからこそ、早めのチェックが重要です。

心も整える検査のメリット

妊娠の準備を始めるとき、体だけでなく心のケアも大切です。性感染症の検査を受けることで、「もしかして感染しているかも」という漠然とした不安を減らすことができます。心配を抱えたまま妊活を進めるより、早めに確認して安心できることが、パートナーとの信頼関係や妊活のモチベーションにもつながります。

また、感染症を治療することで、妊娠しやすい体づくりにも役立ちます。未来の命を迎えるために、体だけでなく心も整えて、前向きに妊活に取り組む第一歩として、性感染症検査をぜひ活用してください。

医師からのメッセージ

「不妊や妊活で悩んでいるーーそんな時は“感染の有無”を知ることが、未来へ進む第一歩です。」

性感染症の多くは、適切な治療により治せる病気です。治療後に妊娠・出産を迎えた方を、多く見てきました。“妊娠しづらい”と悩む方の中には、ほんの少しの炎症が原因だったケースも少なくありません。

今、安心のための一歩を踏み出すこと。それが、未来の命を迎える準備になります。