梅毒とは、性行為などによって感染する細菌による感染症です。
初期の症状は軽かったり、気づかないことも多いですが、治療せずに放置すると、心臓や血管、皮膚、骨などに深刻な影響を及ぼすことがあります。
かつては治療法がなく、命に関わる恐ろしい不治の病として恐れられていました。
しかし治療薬である「ペニシリン」が発見された現在では、早い段階で見つけて適切な治療を行えば、きちんと治すことができます。
ただし、梅毒は感染力が高く、症状が一時的に消えることもあるため、安心して放置してしまうケースが少なくありません。
その間に他の人に感染させたり、気づかないまま進行して、日常生活が難しくなるほど重い症状が現れることもあります。
だからこそ、早期発見・早期治療がとても大切です。
少しでも不安があれば、早めに検査を受けましょう。
梅毒は、梅毒トレポネーマという細菌に感染することで起こる病気です。
この細菌は、皮膚や粘膜にできた目に見えないほどの小さな傷から体の中に入り込むため、主に性行為やそれに近い行為によって人から人へ感染します。
感染すると、血液の流れに乗って全身に広がり, 皮膚や口の中、性器、リンパ節など、さまざまな場所に症状を引き起こします。
そのため梅毒は、一部分だけの病気ではなく、全身に影響を及ぼす感染症と考えられています。
初期の症状が軽くても、体の中では梅毒トレポネーマは増え続け、感染が進んでいくため注意が必要です。
梅毒は、感染している人の皮膚や粘膜、血液、体液に触れることで感染します。
そのため、避妊具を使わない膣での性行為だけでなく、オーラルセックス・アナルセックス・キスなどでも、皮膚や粘膜に小さな傷があると感染する可能性があります。
感染しやすい場所
性器やその周囲、口の中、のどといった、粘膜が多い部分が感染しやすい場所となります。
症状も感染した場所から出てくることが多くなっています。
潜伏期間について
梅毒に感染してから、症状が現れるまでの期間(潜伏期間)は、およそ3〜6週間とされています。
この間は症状がなくても、体の中では菌が時間の経過とともに増殖し、感染が進んでいる状態です。
先天梅毒と後天梅毒
梅毒は感染した時期によって先天梅毒と後天梅毒とに分けられます。
・先天梅毒:妊娠中に、母親から胎盤を通して赤ちゃんに感染したもの
・後天梅毒:出生後に、性行為などを通じて感染したもの
症状の有無による分類
梅毒は、症状の出方によって次のようにも分けられます。
・顕症梅毒:皮膚や粘膜の発疹、臓器の症状など、目に見える症状がある状態
・無症候梅毒:自覚症状はないものの、検査をすると梅毒の反応が陽性となる状態
症状がなくても、検査で見つかり治療が必要な場合があるのが梅毒の特徴です。
平成16年~令和5年の患者数の推移をグラフにしたものです。
令和3年頃より急激に患者数が増えていることが分かります。
令和5年の患者数は15,055名(男性:9,710名、女性:5,345名)となってます。
また、年齢別のグラフから20代の患者数が多いです。若年層による性の知識不足や、不特定多数の性行為により拡大していることが読み取れます。

情報元:厚生労働省> (数値を当方でグラフにしました)無断転載禁止

情報元:国立健康危機管理研究機構・感染症情報提供サイト>
(数値を当方でグラフにしました)無断転載禁止
初期硬結(しょきこうけつ)
初期硬結とは、梅毒に感染後、最初の段階で現れることが多い症状です。
感染した部分の皮膚や粘膜に、小さくて硬いしこりができます。
米粒〜小豆くらいのサイズから始まり、徐々に大きくなっていきます。
多くの場合、痛みやかゆみはほとんどありません。
そのため、「たいしたことはない」と考えてしまい、放置してしまうことも少なくありません。
ただし、他の細菌が一緒に感染すると、痛みや違和感が出ることもあります。
できやすい場所
(男性に多い場所)
亀頭と陰茎の境目(冠状溝:かんじょうこうと言われる部分)
亀頭
陰茎
性器まわりの皮膚
(女性に多い場所)
膣の中(子宮の入り口付近)
大陰唇・小陰唇の周辺の皮膚
(男女共通で見られる場所)
口の中
のど
主な症状の特徴
触ると硬いしこりがある
痛みやかゆみがほとんどない
自然に治ったように見えることもある(※治ったわけではありません)
硬性下疳(こうせいげかん)
硬性下疳とは、梅毒に感染したあと、比較的早い時期に現れる代表的な症状のひとつです。
感染した場所に、軟骨のようにコリッと硬くてはっきりしたしこりができ、その中心が傷のようにえぐれた状態(潰瘍)になることがあります。
多くの場合、痛みやかゆみはほとんどありません。
そのため、「ニキビ」「擦り傷」「口内炎」などと勘違いされやすく、気づかないまま過ごしてしまうケースもあります。
見た目は自然に治ったように見えることもありますが、体の中では菌が増殖し梅毒が進行している状態なので注意が必要です。
できやすい場所
(男性に多い場所)
亀頭と陰茎の境目(冠状溝:かんじょうこうと言われる部分)
亀頭
陰茎
性器のまわりの皮膚
(女性に多い場所)
膣の中(子宮の入り口付近)
大陰唇・小陰唇のまわりの皮膚
(男女共通で見られる場)
口の中
のど
こんな特徴があれば注意
触ると硬いしこりがある
痛みやかゆみがほとんどない
数週間で消えることがある(※治ったわけではありません)
※患者様の了解を得て掲載しています。
※不許複製
硬性下疳:炎症により外側が軟骨くらいの硬さでコリッとしている。
潰瘍:中心に潰瘍があり、梅毒トレポネーマが集まっている。
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