梅毒は、梅毒トレポネーマという細菌が原因による性感染症で、感染すると全身に様々な症状を引き起こすと言われています。
第1期梅毒では、性器や肛門、口唇などの感染部位に硬いしこり「初期硬結(しょきこうけつ)」ができます。 基本的にそのしこりには、痛みや痒みといった症状が伴いませんが、他の菌との重複感染があった場合には、症状が現れることもあります。 その後、初期硬結部位を中心に潰瘍が生じます。このようにしてできた潰瘍のことを「硬性下疳(こうせいげかん)」と言います。
男性は亀頭や陰茎、冠状溝(亀頭と陰茎の間の部分)、性器周辺の皮膚に、女性の場合は膣内、大陰唇・小陰唇周辺の皮膚に、これらの症状が現れることが多く、男女共通して、口唇などにできることもあります。 これらの症状に関しては痛みが伴わなかったり、見えにくい部位に症状ができた場合には見逃してしまうこともあります。
また、治療せずに放置をしていても、時間の経過とともに自然に消えてしまいます。 そういったことから、例え変化に気付いていたとしても、症状が消えた=治ったと誤解してしまい、そのまま放置してしまうことも多いです。
ただし、もしその症状が本当に梅毒によるものだった場合、治療をしなくてはいけません。 何故なら、梅毒トレポネーマは血管の中に入って存在しており、私達の見えないところで着実に、梅毒は第2期へと進行していくからです。
第2期梅毒に進行した場合には、多彩な症状が、手のひらや足の裏を含めた全身に現れます。
発熱や倦怠感、頭痛、リンパ腺の腫れ、のどの痛みや筋肉痛といった症状をはじめ、梅毒性バラ疹、梅毒性脱毛、扁平コンジローマ、梅毒性粘膜疹などが見られることもあります。
この段階での症状も第1期梅毒と同じく、時間の経過とともになくなりますが、やはり症状が消えてしまっても、梅毒そのものが治ったわけではありませんので、当然のことながら治療が必要となります。
通常はこの段階までで、梅毒の発見及び治療が行われるのですが、適切な治療を行わず、そのまま放置していた場合は、第3期梅毒へと進行します。
第3期梅毒へ進行すると、第1・2期とはまた異なる症状が現れます。 皮膚だけでなく、骨や筋肉、肝臓や腎臓、その他様々な臓器にも、硬いしこりやゴム腫(ゴムのような腫瘍)ができ、ゴム腫は周りの細胞を破壊していきます。 鼻骨周辺に形成するゴム腫は鞍鼻(あんび)とも呼ばれ、鼻の欠損に繋がることがあり、江戸時代では梅毒に罹ると「鼻が落ちる」などと言われていました。
第4期まで進行すると、心臓血管系、中枢神経系が侵され、大動脈瘤形成や大動脈破裂、神経障害といった症状を引き起こし、最終的には死に至ります。
昔は死に至る病として恐れられていた梅毒ですが、現在は医療の進歩により、治らない病気ではなくなりました。 また、梅毒に感染していても、その多くは第1・2期の段階で発見・治療されるので、治療方法の確立している現在では、第3・4期梅毒ともにほとんど見られなくなりました。
しかし、症状の出ない「無症候性梅毒」の状態で長年に渡り、感染に気付かないというケースもありますので、油断は禁物です。 気になる症状があった場合はもちろんのこと、症状がなかったとしても、不安な行為等があった場合には、検査をされることをご検討ください。
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