HIV・エイズ

目次

 
 

HIVとは

HIVとは「ヒト免疫不全ウイルス」を略した言葉で体に入ると色々な悪さをするとても恐ろしいものです。

HIVウイルスが体に入ってしまうとリンパ球が壊されてしまい、病気の原因になるウイルスやガンなどの深刻な病気になりやすくなってしまいます。

体を病気から守る免疫の働きが少なくなる為HIVウイルスが体に入ってしまうことで、色々な病気になってしまうことが最も怖い事なのです。

血液や体液を介して感染するため、性的接触により感染する可能性もあります。

HIVの感染経路について >

HIVとは(Human Immunodeficiency Virus)の略称で、正式には「ヒト免疫不全ウイルス」 といいます。感染部位は全身です。

HIVは体内のTリンパ球やマクロファージに感染し、免疫に必要な細胞を減少させる作用があります。

免疫が減少している結果、数年〜10年で健康であれば何ともない菌やウイルスに感染をおこし様々な病気を発症します。

その病気がエイズ指標疾患とされる病気にあてはまると、エイズを発症したと診断されます。

  • HIVに感染した後は、感染初期(急性期)→ 無症候期 → エイズ発症期の経過をたどります。
  • 感染初期にはインフルエンザ様症状がみられることもありますが、感染者の体内の免疫応答により数週間で消失します。初期症状までは2~4週間です。
  • その後、無症候期に入ります。無症候期は数年〜10年以上続く人もいますが、感染後、短期間のうちにエイズ発症をする人もいます。
インフルエンザ様症状

無症候期の間も、HIVは体の中で毎日100億個くらい増殖しており、Tリンパ球は次々とHIVに感染して平均2.2日で死滅していきます。

そのため、免疫に大切な細胞が体の中から徐々に減って行きます。

健康な時には700〜1500個あるTリンパ球が200個未満になると免疫不全状態となりエイズを発症します。エイズ発症までは5~10年です。

2000年以降HIV感染から5年以内にエイズを発症したという報告が多くなっています。

【参考情報】
クラミジアとHIVの違い > HIVと梅毒 >

情報元:エイズ予防情報ネット>

 

エイズとは

エイズとは、「後天性免疫不全症候群」を略した言葉です。

HIVウイルスがリンパ球に感染すると体の中の免疫力が壊されてしまい免疫機能が低下します。

健康時には発症しなかった弱いウイルスなどが暴れだし、さまざまな病状が現れ、「日和見(ひよりみ)感染」などを起こしてしまう、怖い病気です。

HIVは治すことができませんが、薬によってエイズ発症を抑える事はできます。

エイズ発症までの流れ
  【参考情報】

いきなりエイズ」とは、自分がHIVに感染していることに気づかずに、エイズを発症してから初めて感染に気づくことを指します。

詳しくは下記リンクより、ご確認ください。

いきなりエイズとは >
 

HIVとエイズの症状

― 感染初期からエイズ発症までを一目で理解 ―

HIV(ヒト免疫不全ウイルス)は、免疫の司令塔である CD4陽性リンパ球(CD4細胞) を徐々に破壊していくウイルスです。

【まず最初に】CD4とは何か?

CD4とは、免疫細胞の一種である ヘルパーT細胞に付いている“目印(抗原)” の名前で、体の免疫機能をコントロールするリーダー的存在です。

ヘルパーT細胞の役割

CD4細胞は、体内にウイルスや細菌が侵入したときに
・敵を認識する
・他の免疫細胞に「攻撃の指示」を出す
・免疫反応全体を調整する
という役割を担っています。

つまりCD4の数は、「今、体の免疫力がどれくらい保たれているか」 を示す大切な指標であり、CD4が低いほど感染症に弱くなります。

HIVはこのCD4細胞を破壊して免疫力を低下させるため、本来なら発症しないような特定の感染症(日和見感染症)や悪性腫瘍、エイズ指標疾患などを発症します。

一般的にCD4が200未満になると、エイズ(AIDS、後天性免疫不全症候群)発症の目安 とされています。

■ HIV感染の進行は3段階

HIVの症状の流れは次の3つの段階に分かれます。
1.感染初期(急性期)
2.無症候期(無症状の期間)
3.エイズ発症期
それぞれの期間は特徴が異なり、特に「2.の無症候期」は感染に気づくことが難しい時期です。

1|感染初期(急性期:感染後2〜4週間)

HIVに感染して最初に起こる反応が「急性HIV感染症」です。

侵入したウイルスと身体が激しく戦うため、半数以上の人に“インフルエンザのような症状” が現れると言われています。

症状が出るのは感染した人の約50〜70%と言われています。

主な症状(数日〜2週間続く)
・発熱(38〜39℃前後)
・のどの痛み・咽頭炎
・首や脇・鼠径部などのリンパ節腫れ
・発疹(体幹を中心に赤い斑点)
・筋肉痛・関節痛
・全身のだるさ(倦怠感)
・下痢・食欲低下
・頭痛
これらの症状は、通常1〜2週間で自然に回復します。

そのため、風邪、疲労、インフルエンザ、扁桃炎などと誤解されることが非常に多いです。

また、こういった症状が必ず出るわけでは無いことにも注意が必要です。

初期症状

◆ 急性期の重要ポイント
・ウイルス量が極めて多く、パートナーへの感染リスクは最大レベル
・症状が消えてもHIVは体内に残り、無症候期へと進行していく
・症状が自然治癒するため、通常の風邪などと区別がつきにくい
・感染しても全く症状が出ないこともある

2|無症候期(数年〜10年以上)

急性期が終わると、症状がほとんどなくなる時期に入ります。

この期間を 無症候期(潜伏期) と呼びます。

無症候期の特徴

・自覚症状がほぼゼロで、見た目はとても健康
・体内ではHIVが増え続け(毎日約100億個増殖すると言われています)、CD4がゆっくり減少している
・感染に気づかず、パートナーや性交渉の相手に感染を広げてしまうケースが多い

無症候期は数年で進行する人もいれば、10年以上症状が全く出ない人もいます。

個人差は大きいですが、治療をしていない限り、免疫機能は確実に弱っていきます。

このように自覚症状がなく、外からもわかりにくいため、「自分はHIVではない」と思ってしまい、検査・治療が遅れやすいことが無症候期の最大の問題点です。

自覚症状はなくてもCD4は減少

3|エイズ発症期(CD4が200未満)

無症候期の間にCD4が大きく減ると免疫力が崩壊し、通常の免疫が機能していれば防げる病気に感染しやすくなります。

これらの病気のうち、国が定める「エイズ指標疾患」を発症するとエイズと診断されます。

主な症状
・長引く発熱(微熱〜高熱)
・慢性的な下痢
・急激な体重減少(10%以上)
・咳・息苦しさ・呼吸困難
・皮膚や粘膜の病変
・極度の倦怠感

代表的な日和見感染症・悪性腫瘍
・ニューモシスチス肺炎(PCP)
・カポジ肉腫
・食道・気道のカンジダ症
・トキソプラズマ脳症
・サイトメガロウイルス(CMV)感染症
・結核、非結核性抗酸菌症
・クリプトコッカス髄膜炎など
これらの疾患の中には命に関わるものも多く、早期の診断・治療が極めて重要です。

参考:厚生労働省 23のエイズ指標疾患
免疫が機能せず
 

患者数の推移

平成11年~令和2年の患者数の推移をグラフにしたものです。

平成20年までは増加傾向にあり、その後ほぼ横ばいでしたが、近年は減少傾向にあります。

後天性免疫不全症候群 年別報告数

情報元:国立感染症研究所> (数値を当方でグラフにしました)無断転載禁止

 

検査方法と検査ができる時期

HIV NAT検査は感染機会より当院では、TMA法を用いているため13日経過していれば検査可能です。
また、当院では隣接する登録衛星検査所での検査となるため、当日または翌日*には結果が出せます。(WEBで結果確認可能)
※前半診療(平日11:00から14:30、土日祝9:30から13:30)の時は当日、後半診療(平日16:00から20:00、土日祝14:30から18:00)の時は翌日

HIV抗原抗体即日検査(第4世代)は感染機会より4週間経過していれば検査可能です。
新橋院では、精度の高いロシュ・ダイアグノスティックス社の機器を使っての検査を行うことになりました。
採血後、今までの検査キットでは約20分、ロシュでの検査では約1時間で結果が判明します。
今までの検査キットでの検査をご希望の場合は、事前にお申し出ください。

なお、厚生労働省のガイドラインに従って、最終的にHIV感染を否定するためには、感染機会から3ヶ月経過後に検査をする必要があります。

検査方法 第4世代抗原抗体検査 NAT検査
採取 血液 血液
検査可能時期 思い当たる行為から4週間経過 思い当たる行為から13日経過
結果 約20分後(キット)
約1時間後(ロシュ)
当日または翌日
   

治療方法

もしも当院での検査で感染が疑われる場合にはHIVの精密検査を当院で行い、陽性であった場合は治療をしっかり行っている拠点病院をご紹介しております。

治療は抗HIV薬の内服となりますが、正しく服用していけば現在はHIVは命に関わる病気ではありません。感染前と同じ生活を送っていけます。
感染していて知らずに過ごしてエイズに発展することを防ぐためにも、感染しているかどうかをきちんと調べておくことが非常に重要です。

 

当院によるHIV・エイズ
の検査と治療について >

 

疑陽性の結果が出た場合

HIV第4世代の検査結果で「陽性」と出ても確定ではありません。
「疑陽性」といい、感染の可能性があるという段階です。

その場合は、当院でHIV NAT検査とHIV-1/2抗体確認検査を実施します。

もしも陽性になった場合は、HIV拠点病院という専門の病院へ紹介状をお作りします。

※HIV-1,2ウェスタンブロット法(WB法)検査に代わって、
 HIV-1/2抗体確認検査になりました。
HIV拠点病院紹介サイト>  

予防方法

不特定の人との性交渉は避け、性的接触の際にはコンドームを正しく使用しましょう。

また、HIV感染症について正確な情報を知ることが、予防行動をとる上では大変重要になります。

HIV予防療法として、PrEP療法やPEP療法があります。

HIV予防について >  

HIV(エイズ)に対するPEP療法・PrEP療法について

PEPとは、曝露後予防(post exposure prophylaxis)の略語です。

HIVに感染したかもしれない性行為や医療事故の後、日常においてHIVに感染した可能性がある時、72時間以内に抗レトロウイルス薬(HIVに対する治療薬)の内服を開始して、HIVに感染するリスクを低下させる予防策のことをいいます。

PrEPとは、曝露前予防(Pre-Exposure Prophylaxis)の略語です。

HIV感染のリスクが非常に高い方(セックスパートナーがHIV感染者など)が、原則として毎日、抗レトロウイルス薬(HIVに対する治療薬)の内服行い、HIVの感染を予防する方法です。

PEP療法の詳細についてはこちら >

PrEP療法の詳細についてはこちら >

 

まとめ

■ HIVは「早期発見」で未来が大きく変わる

現在のHIV治療(ART:抗レトロウイルス療法)は大きく進歩しています。

「HIV=死に至る病」というイメージは過去のもので、今は“コントロールできる慢性疾患”に近い状態 です。

◇ 早期に治療を始めることの重要性

HIVは早期に適切な治療を開始することで、免疫力の低下を防ぎ、エイズ発症をほぼ確実に予防できるようになっています。

また、治療を続けることでパートナーへの感染もほぼゼロにできたり、寿命も健康な人と変わらないレベルまでになります。

そのためにも検査による早めの発見が何よりも大切となります。

抗レトロウイルス薬

■ 心当たりがある人は、早めの検査を

HIVは、
・急性期に症状が出ても風邪などの他の病気と間違えやすい
・無症候期はまったくの無症状
という性質があり、症状から判断するのは不可能です。

そのため、症状の有無だけではなく、どのような行為をしたかによって、検査を検討することが重要です。

以下のような行為があった方は、検査を受けることをおすすめします。

・コンドームを使わない性行為
・不特定のパートナーとの性行為
・出血を伴う行為
・パートナーの感染が疑われる状況がある など

また、検査を受けるにあたっては、適切なタイミングで受けることも重要になってきます。

不安な行為があったり、気になる症状が出た場合は、一刻も早く検査を受けたい気持ちになってしまいますが、感染機会からあまりに早いタイミングだと検査でも引っ掛けることができません。

そうなると折角検査を受けたのにも関わらず、感染を見逃してしまう可能性があります。

気になる行為があれば正しい検査を
 

よくある質問

 
Q.HIVはどれくらいの確率でうつりますか?
A.HIV自体の感染力は強くないので、必要以上に心配しなくても大丈夫です。
ただし、性器や口の中に傷がある場合はうつるリスクが高まるので一度検査をしておくことをおすすめします。

Q.HIVに感染しないためにはどんな事に気をつけたらいいですか?

A.第一に性行為の時にはコンドームを使用しましょう。そしてHIV検査を受けて、ご自身が感染していないことを確認して下さい。
特定のパートナーがいれば相手にも検査を受けてもらいましょう。
お互いに他のセックスパートナーがいなければ、二人の間での性行為は 安全と言えます。

Q.HIVになっていた場合、どのような症状が出るんですか?

A.発症して2週間ほどで発熱、倦怠感、筋肉痛、肺に違和感、下痢、のどが痛い、嘔吐、リンパ節の腫れなどの症状が出ることがあります。
ただし、これらの症状が出ない場合もあるので、無症状でも不安な場合は検査をうけておいたほうがいいでしょう。
あおぞらクリニック 性病に関するQ&Aより一部抜粋

情報元:CDC>



HIVに感染したかも?と思った時に >

   

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