性器クラミジアの場合、男性は排尿時の痛みやサラサラした膿(透明、または乳白色)が現れることがありますが、半数の方は無症状です。
女性は痛みやかゆみ、おりものの増量などが現れることがありますが、70〜80%方は自覚症状が出ません。また、感染期間の長さによって子宮頸管炎や不妊症に繋がるともいわれています。
男女ともに、口腔性交によってのどにも感染する咽頭クラミジアの恐れがありますが、90%の方が無症状といわれています。
対してHIVは、感染してから2〜4週間経過後にひどい風邪やインフルエンザの様な症状が現れることがあります。
これは、HIV感染者の約90%の方に出現していると推定されていますが、この症状は他の急性ウイルス症候群でも出るため、症状だけでHIV感染の判断はできません。
また、ほとんどの症状が1〜2週間で自然消失してしまいます。
しかし、全く症状がなく感染するケースも多くあり、感染して10年以上経過しても発病しないこともあります。
HIVは、採血して検査します。
検査の種類としては、体内に侵入したHIVそのもの(抗原)を調べる抗原検査、体内に侵入した抗原に対して形成されるタンパク質(抗体)を調べる抗体検査があります。
HIV第4世代検査と言われる検査は、抗原抗体検査であり、抗原と抗体を検査するものとなります。
(さらに詳しくいうと、HIVには1型、2型があり、1型の抗原の一部であるp24と1型2型の抗体を検査します。)
また、感染の早期発見のために、増殖し始めたHIVの遺伝子そのものを調べる核酸増幅検査(NAT検査)があり、こちらは抗原検査となります。
HIVは抗原抗体検査で、一般に不安な行為から3ヶ月以上経過して陰性であった場合は心配不要ですが、陽性の判定となった場合は、疑陽性のこともあり、それで確定とはいえず、確定診断のためにはHIVのNAT検査やHIV-1/2抗体確認検査による検査を追加して確認する必要があります。
※HIV-1,2ウェスタンブロット法(WB法)検査に代わって、
HIV-1/2抗体確認検査になりました。
クラミジアにおいても、採血による抗体検査がありますが、抗体のできるまでの期間や減衰していくまでの期間に個人差があるため、あやふやな検査になり、一般的には尿、膣ぬぐい液やうがい液を採取して、クラミジアそのものを検査する抗原検査を行います。
一度の性行為で、クラミジアは30〜50%の確率で感染するといわれていますが、HIVの感染力は非常に弱いとされています。
HIVの感染率は、例えば、膣を介した行為の場合、男性側は0.05%、女性は0.1%とされています。性行為で一番確率の高いアナルセックス(受け入れ側)でも0.5%という、非常に低い感染率です。
ただし、クラミジアなどの性感染症に感染し、粘膜に炎症が起きることで、感染率が上がる恐れはあります。
予防法としては、他の性感染症同様、性行為(オーラルセックスを含む)を行う際には、コンドームを正しく着用すること、不特定多数とは関係をもたないことが挙げられます。
HIVにおいては、血液、精液、膣分泌液などの体液を、粘膜や皮膚の傷に触れさせないことが重要です。
クラミジアは、抗生剤を一回服用することで90%の人が治癒します。第一選択薬で治癒しなくとも、第二選択薬、第三選択薬で治癒が見込めます。
対して、HIVの治療は、薬を服用してもウイルスが完全になくなるわけではないため、一生飲み続けなければなりません。
また、内服を失念してしまうと、薬剤耐性ウイルスができやすくなります。長い治療を覚悟する必要があります。
先述の通り、クラミジアに感染している場合、粘膜に炎症が起き、HIVの感染率が上がる恐れがあります。
また、HIVに感染していると、他の性感染症に感染しやすくなります。 そのため、HIV、クラミジアどちらか一方に感染している場合、もう一方も疑う必要があります。
いずれにせよ、性行為があった場合は、早めに検査をするようにしましょう。
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