いきなりエイズ

いきなりエイズ

「いきなりエイズ」とは、自分がHIVに感染していることに気づかずに、エイズを発症してから初めて感染に気づくことを指します。

そもそもエイズとは、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)が感染して起きる病気のことです。ただし、HIV感染後、すぐにエイズを発症するわけではありません。

もし、治療をせずに放置していた場合には、特に症状が出ない期間(無性候期)を経て、エイズ発症に至ります。

症状がなくてもHIVは体の中で増殖し、病気から身を守ってくれる免疫力を徐々に弱めていきます。

そして、エイズを発症すると健康な人なら防げる、様々な感染症などに罹りやすくなってしまいます。

上記のことから、HIVの新規感染者は20〜30代の若い世代が多いですが、新しくエイズを発症する年代は中年層に多くなっています。

HIV感染からエイズを発症するまで

①感染初期
HIVに感染すると、インフルエンザと同様の症状(発熱・咽頭痛・皮疹・リンパ節の腫れ・頭痛など)が見られることもあります。

数日〜10週間程度続き、多くの場合は自然に軽快します。なお、感染した全員にこういった症状が現れるわけではなく、初期症状が何も出ない場合もあります。

②無症候期
自覚症状がないまま病気は進行していきます。ただし、感染力はあるので他の人に移す危険性があります。

無症候期は数年〜10年以上も続く人もいますが、感染から短期間のうちにエイズを発症する人もいます。

③エイズ発症
免疫力が下がり、健康であれば感染しないような病原体による感染症を発症=日和見(ひよりみ)感染するようになります。

エイズ指標疾患」と呼ばれる23種類の病気のうち、いずれかひとつを発症した時点で、エイズに罹っていると確定されます。

最後に

HIV検査は感染を知る唯一の手段です。

エイズはHIV感染の早期発見・早期治療により発症を抑えることができるので、感染の恐れがある場合はHIV検査を受けることが何より大切です。

治療開始が遅れてしまうと、それだけ日常生活の質の低下や、生命予後の悪化に繋がりますので、発症前の無症候期の間にHIV感染を知ることができれば、最適な時期に治療を始めることが可能です。

また、検査結果を知ることでパートナーへの感染を防ぐこともできます。自分には無関係と思わず、ぜひ検査を受けましょう。

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