梅毒は性行為だけでなく、キスによって唾液や粘膜が触れ合うだけでも感染

梅毒は性行為だけでなく、キスによって唾液や粘膜が触れ合うだけでも感染してしまう病気であることはご存知ですか?

梅毒とは

梅毒とは、原因菌であるトレポネーマ・パリダム(Treponema pallidum)という菌が原因となる感染症です。

トレポネーマ・パリダム(Treponema pallidum)は、らせん状の形態をした真正細菌の一種です。学名の由来は「コイル状の髪」を意味するギリシア語をラテン語に音写したものだとされています。

トレポネーマ・パリダム(Treponema pallidum)は菌の特性上、低酸素状態でしか生存することができません。また、低い温度や高い温度、乾燥にも非常に弱いという性質があります。

梅毒の感染経路

このため、梅毒の感染経路は限定されており、皮膚や粘膜と直接接触することが主な感染原因となっています。

具体的には、膣性交やアナルセックス(肛門性交)、口を使用した性行為(オーラル・セックス)やキスによる接触です。

ここで注目するべきは、性行為だけでなく、キスでも感染させてしまうため『パートナー様だけでなく、性行為の経験がない子供にも感染させてしまう恐れがある。』、ということです。

梅毒は、保菌者との1回の接触による感染確率が約3割といわれており、性感染症の中でも非常に強い感染能力を持っています。

キスが原因で梅毒に感染した場合

キスが原因で梅毒に感染した場合、梅毒性粘膜疹(ばいどくせいねんまくしん)と梅毒性アンギーナといわれる症状が現れることがあります。

梅毒性粘膜疹(ばいどくせいねんまくしん)の好発部位は口唇(こうしん)や口腔内粘膜(こうくうないねんまく)、舌や扁桃部(へんとうぶ)の粘膜とされています。顕性梅毒(けんせいばいどく:症状が現れる梅毒)の約20%程度で発症し、紅斑もしくは乳白色の口内炎のような症状が特徴的です。

梅毒性アンギーナの好発部位

梅毒性アンギーナの好発部位は扁桃(へんとう)や軟口蓋(なんこうがい)の粘膜です。顕性梅毒(けいせいばいどく:症状が現れる梅毒)の約13%程度の方が発症するといわれ、臨床症状はびらんや潰瘍を伴う発赤や腫脹です。扁桃(へんとう)や軟口蓋(なんこうがい)が左右対象に赤く腫れ上がることによって、『赤い蝶が羽を広げた』ように見えることがあります。

ただし、梅毒性粘膜疹(ばいどくせいねんまくしん)や梅毒性アンギーナの症状は、口内炎や急性の扁桃炎(へんとうえん)、咽頭炎(いんとうえん)などに類似した所見を呈することがあるため、視診での鑑別は困難とされています。

症状が現れた時には放置せず、検査や診療を受けるとよいでしょう。