梅毒の感染者数が増加

最近、インターネットやテレビで梅毒の感染者数が増加しているといったニュースがよく流れています。

梅毒は新規患者の報告が義務付けられている特定感染症であり、検査などで新規患者が認められた場合、各区市町村の保健所に発生を届け出る義務があります。

毎年集計された患者数は厚生省によって公表されており、これを見てみると、確かに2013年以降は毎年のように患者数が増え続けています。

東京での感染報告

特に東京での感染報告が顕著であり、2017年度報告の約1800人は全都道府県の約4割という数字にあたります。

梅毒検査場所、料金

少し前までは健康診断や人間ドッグで梅毒感染の疑いありと指摘され、改めて専門病院を受診される方が多かったような病気ですが、昨今の流行もあり、現在は梅毒検査を自主的に行なう方が増えています。

しかし、梅毒を検査するにあたって、どういった場所で梅毒を検査しているか、料金はどのくらい掛かるのか、検査の正確性はどうなのか、調べてもイマイチ分からない……といったケースもあるようです。

こういった疑問について少し解説してみましょう。

 

発生報告の多い東京を例に挙げますが、基本的な流れは全国でそこまでの差異はありません。

梅毒の判断

梅毒の判断を行う際には、TP抗体検査(TPHA法)、またはTP抗体検査とRPR抗体検査の両方を用います。過去に梅毒感染がなく、最終リスクから4週間経過している場合はTP抗体検査を行い、即日で結果が判明します。

ただし、感染機会から2ヶ月未満の場合には、TP抗体が反応しない梅毒感染初期である可能性も考慮し、医療機関によってはRPR抗体検査も同時に行っています。

RPR抗体検査が陰性の場合、4週間以上経過した感染機会について、ほぼ梅毒を否定することができます。梅毒を完全に否定するためには、最終リスクから3ヶ月以上経過後に検査を受けることが必要です。

 

梅毒の検査は採血検査で行ないます。

おおまかに説明すると、梅毒に感染すると体内で産生される物質(抗体)があるので、この有無や量で感染をチェックしています。

梅毒にはこの物質を見る検査がおおまかに2種類あり、それぞれTP検査・RPR検査と呼ばれています。調べる物質は検査によって異なり、TPのみを検査しているか、または両方調べているかで、検査が受けられる時期は若干変わってきます。

これは梅毒に感染してから体内で物質が産生されるまでにタイムラグがあるためです。また、個人差もあるため注意が必要です。

米国のCDC(アメリカ疾病予防管理センター)によると、「行為から3ヶ月以上経過した場合、TP検査で陽性となるケースは確認できなかった」と発表があります。

CDCの発表を踏まえると、「不安行為のあった日から3ヶ月以上経過して、TP検査を受ける」のが良いと判断できます。

ただし、RPRを同時にチェックすることで、感染の有無をより早くチェックできます。専門病院は4週間経過後から検査を行なっている場所もあるようです。

TP/RPRの同時検査なら4週間以上経過から、TP検査のみの場合は3ヶ月経過後が望ましいです。

 

梅毒の検査で現在主流となっているのは「RPR法」と「TPHA法」です。それぞれのメリットとデメリット、具体的な検査内容について説明します。

RPR法について

RPRは「Rapid Plasma Reagin」の略です。カーボン粒子にカルジオライピン、レシチン(梅毒トレポネーマの脂質)を吸着させ、そこへ患者さんから採取した血液を加えた時、カーボン粒子の集まりが見られれば陽性です。

この検査で使われる脂質は梅毒以外の病気にもみられるものなので、梅毒に感染していなくても陽性を示してしまうことがありますが、検査を比較的早い段階(感染後2~4週間)から行うことができるというメリットがあります。また、治療が進むにつれてリン脂質抗体価は下がっていくので、経過をチェックするのにも便利な方法です。

TPHA法について

TPHAは「Treponema Pallidum Hemagglutination」の略で、梅毒トレポネーマに特異の抗原を検出する検査方法です。そのため、RPR法のように他の病気に反応してしまう可能性が低く、より正確性の高い結果が得られるというメリットがあります。

また、陽性反応を示すようになるまでの期間が長い(感染後4~6週間)といわれていましたが、最近では早期診断(感染後3~4週間)にも用いられています。しかし、治療が完了した後も長期に渡って陽性反応を示し続けることが多いので、梅毒の既往歴のある人には治療結果の判定にも不向きです。

 

梅毒の検査結果の見方や注意点について

「RPR法」については、早い時期から検査ができるものの、疑陽性(梅毒に感染していないにも関わらず、陽性になる)という結果が出てしまうこともあります。

これは、抗原であるリン脂質が梅毒トレポネーマとは直接関係のないものであるため、梅毒以外の疾患でも陽性を示す可能性があるからです。

したがって、医療機関によってはまずRPR法で検査をした後、さらにTPHA法を使って調べるところもあります。

「最初から正確な検査結果を知りたい」という場合も、TPHA法を選んだほうが良いでしょう。

また、検査結果をすぐに知りたいという場合は即日検査を受けることもできます。

これは「梅毒TP抗体即日検査」と呼ばれるもので、医療機関によりますが15~30分で結果を知ることができるので非常に便利です。

ただし、この方法が使えるのは初めて梅毒に感染した人のみとなります。

一度でも感染した経験があると、たとえ治療によって治癒していてもTP抗体が検出されてしまうので、その場合はRPR法とTPHA法で検査を受けてください。

また、感染から日が浅いうちに受けても抗体の数値が十分に上がっておらず、本当は陽性でも陰性と出てしまうこともあるので、3ヶ月以上経過してから再検査をしておくことが望ましいです。

<RPR法・TPHA法の検査結果の見方>

1:RPR法、TPHA法ともに陰性の場合/梅毒には感染していない。ただし、非常に稀ではあるものの、初期梅毒の可能性もあり。

2:RPR法が陽性、TPHA法が陰性の場合/初期の梅毒。またはRPR法においての疑陽性。

3:RPR法、TPHA法ともに陽性の場合/梅毒に感染している、もしくは梅毒の治療中。

4:RPR法が陰性、TPHA法が陽性の場合/梅毒の治療後である。もしくはかなり初期の梅毒。

 

梅毒の検査費用

梅毒に感染しているかどうかを知るには、以下の3つの方法があります。

・病院で検査する

梅毒の検査は保険診療の病院でも受けることができますが、保険診療の場合は症状がないと費用の全ては自費扱いとなるので注意が必要です。

検査を希望する場合は、保険診療の病院、もしくは自由診療をおこなっている病院の性感染症内科(性病科)・泌尿器科・皮膚科などを受診してください。

事前に検査をおこなっているかどうか、電話などで確認してからの方がよいでしょう。費用は病院により異なりますが、目安としては2,000円~8,000円程度かかるようです。

匿名での検査を希望するなら、保険ではなく自費での検査となります。受付で名前を呼ばれたり、会社や家庭に健康保険のお知らせが届いたりする心配がないので、気楽に受けることができます。(但し、医療機関によります)

また、保健所では原則無料(有料の施設もあり)で匿名による検査が受けられますが、実施日があらかじめ決められており、結果報告は対面で行われるので、仕事が忙しい場合は利用しにくいといったデメリットがあります。

・郵送の検査キットで調べる

病院に足を運ぶことが難しい場合、郵送の検査キットが便利です。郵送検査会社により差はありますが、検査費用は2,000~5,000円程度です。

病院や保健所での検査はどうしても対面になるし、受け付けてくれる時間も限られているので、それが困るという場合は郵送で検査が受けられるキットを利用する方法もあります。

キットは通信販売で購入することができ、自分で血液を採って送り返す仕組みです。(検査は前述のTPHA法となります)

検査には個人情報は一切必要なく、結果もWEBで見ることができるので、一切他人と顔を合わせずに済むというメリットがあります。

・保健所で検査を受ける

一部の保健所では無料で梅毒の検査を受けることが可能です。しかし、結果判明までに数日の時間を要することや、検査結果を、再度聞きに行く手間があるなどデメリットもあります。

予約は電話で行いますが、この時、名前や住所などの個人情報を伝える必要はありません。当日は決められた時間に保健所へ行き、他の人と一緒に順番を待つことになります。